Aくんは...
タイ王国の東北イサーンの田舎にある市場の皆さんから雇われているＡくんです、実は男性ですが写真の様な格好をしてます。
この写真はこの市場のタラー開催日のＡくんの姿です。まー女装して少し踊って小銭を稼いでいます。
Aくんの仕事...
Ａくんは、市場のゴミ回収をしたり、市場の店主から日雇で雇われて生計を立てています。彼はダウン症ですが比較的軽い症状ですから簡単な仕事は可能です。
彼の市場の皆から貰う日当は、健常者の半額程度なんです。彼は簡単な仕事であれば一人前の働きが出来るんですけどね…これは傍から見たら搾取にあたるんじゃ無いかと思えます。
Aくんに聞いてみました...
以前、私はこの件でＡくんと話をした事があるんです。私はたまに家の庭掃除を彼に発注していまして、その支払いの際に話をしました。
Ａくんが話すにはですね、たくさんの労賃は必要ないって言うんです、何故か？って聞くとですね、「今日中に使いきれないから」って、コレは日本人には判らないでしょうがイサーンでは暫しいやモッパラお目にかかる現象なんです。
使いきれないなら貯蓄したら良いと思いますよね、しかし貯蓄と言う行為はイサーン(タイ王国の田舎)では物理的にも思考的にもやりにくい…まぁ出来ない事なんです。
例えばこのＡくんの場合ですけどＡくんの場合は、両親は既に亡くなっており健常者の実姉と二人暮らしなんです。もしＡくんが使いきれないお金を家に持ち帰るとどうなるか？それは実姉に召し上げられちゃうんです。だからＡくんはその日に必要なお金だけあれば良いのです。翌日の食事は市場の誰かが彼に仕事を依頼すると共に提供するでしょうから。市場の人々が安い賃金でＡくんを搾取してるようにみえますが、Ａくんも一日分の生活費を得られれば良く、余分は不必要でありトラブルのタネにしかならないって事なんですね。物理的にはですね、イサーンの田舎には銀行の店舗がありませんしATM(現金自動受払機)がなくCD(現金自動支払機)しかないのです。
イサーンでは普通の出来事...
日本人の方ならこの状況は酷いと思うでしょう…またこの事はＡくんが身障者だから起こる現象だと思われるでしょうが実は健常者でも同様な事が日常的に普通にある事なんです。イサーンで良く目にするその日暮らし的な方は大体こういう思考なんです。少し大金を手にしたらスグにタンブンするってのも同じ様な動機からということも多いのです…もちろん佛教の教義的にタンブンという方も多いのですけどね。Aくんの場合は手元に残った現金はタンブンしてしまえば、財産は残りませんが名誉は残りますよね。日本人にはタンブン(お布施)が名誉とは思えないかと思いますが、自分のお金は自分だけが使うということはコンイサーンの思考には余り無いのかと思います。
もちろん持ちなれないお金を持てば不幸になるのは世の常ですから、イサーンの人々は予めそれを回避しているとも言えるかもしれません。
防御的選択...
そして何より重要なのはですね…Ａくんが毎日お金が余り実姉が毎日Ａくんからお金を取り上げていたら実姉は働かなくなりますよね…これは見ようによってはＡくんが実姉をダメにしたとも見る事が出来ます。Ａくんが働かないダメな実姉を自ら作る事になるんですね。そのことは直接Aくんに跳ね返ってきますからね、Aくんはあらかじめそうなることを回避しているのかもしれません。
お金の取り扱いは難しい
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イサーンでも労働を伴わないお金はお金持ちしか扱えません、貧乏人が手にしたらしかも毎日手にしたら堕落するだけです。そもそも堕落しがちなイサーン人がさらに堕落するんですから半端じゃありませんね。やはり普通の人間は労働の対価としてお金を手にするベキですね。
なんだかこう見るとＡくんは、立派なイサーン人だなぁ…って思えたりします。
この辺りは移住者やロングステイ者の方々は理解していると思いますが、旅行者の方も少し知っておく必要があるかと思います。
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